THEME #38受賞作品2022SEP

REBIRTH

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ステートメント

Untitled Color Photograph

庭を*灰色に塗って、夜に様々な色の光を当てて撮影している。極彩色に彩られた灰色の景色に、新しい緑色の葉や虫が現れる。
カメラという機械を使って、人間について考えている。例えば人間は電磁波のうち約400~800ナノメートルの範囲の波長を可視光と呼び世界を見ている。短い波長が青色に見え、長い波長が赤色に見えるのは、網膜で受け取った電気刺激をイメージとして脳内に映し出しているからだ。植物や昆虫は、ユクスキュルの環世界のように私達とは違った形で、世界とそして他の生命とつながっている。菌糸を媒介として植物同士がコミュニケーションをとるネットワークは、アーサー・C・クラークのパラドー人のように一部が全部という集合精神のような存在とも言える。それは宇宙に旅して地球外生命体と交感せずとも、足元に広がる「かそけきもの」としての自然との交感を促している。
*(草木灰、デンプン、珪藻土からなる自然由来の塗料)

受賞者プロフィール

畑直幸

2014年 Gerrit Rietveld Academie(オランダ)卒業。「現実」主催 2018年より毎月第4月曜日に大分県、別府駅高架下にて現実展を開催。2023年3月にオーストラリアの出版社Tall Poppy Pressより出版される「Site Specific:Photography exhibitions from around the world」に掲載。6月に九州産業大学美術館にて展示予定。