ステートメント

Form of Value

以前、自分の価値がよくわからなくなるときがあった。色々、本を読んでみたが答えはなかった。その頃、ルーティンで街を行き来するひとを撮っていた。ある日、マルクスの本に商品Aの価値は商品B、Cの使用価値を担保にあるという記述をみつけ、腑に落ちた。なんのことはない、自分の価値は、まさに目の前を行き来するひとたちの生を担保にあるのだと。そんな世界に生きていると思うと楽になった。それ以降、他のひとの生を担保する自分は生は、何をしてきたのだろうと気になった。去年は箸にも棒にも掛からぬ静物写真を加工、量産していた。以前撮った人をくり抜き、そこに去年の静物写真を入れてみた。これはなんだろうか？価値のかたち？

受賞者プロフィール

高橋勝

1971年 横須賀市生まれ
1994年東洋大学文学部卒　
1996年東京写真綜合専門学校卒
展示：「PROVOKE 2.0」（ Poland/2018）その他。
受賞：「JP_EN ISSUE.1」その他。
ウェブサイト：「SELF PUBLISH, BE HAPPY」、「SPACE CADET」その他。

審査員 選評

もし、”心”を写すカメラが存在したら、こんな写真を写せるのかもしれない。


その極彩の色、テクスチャーの奇抜さは

前衛的な”装い”をイメージし、人の本質を可視化しているかのようだ。


見てはいけない”中身”を”覗いている感覚を覚える。

関連リンク

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