THEME #45受賞作品2023JUN

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ステートメント

この街の明かりが消えてしまう前に

目の前の光は掴もうと手を伸ばした瞬間に消えてしまう。夜の都市を覆う光は刹那的で即物的だ。今、見えているはずの光は絶えることはないように思えるが、常に移ろい、淀み、また新しい光となっている。バーチャルな空間がより重要になり、リアルな空間は一部希少性を増し、その他は意味を剥奪され形骸化されつつある昨今。夜の都市を彷徨う時、僕はたまに都市が独自に生きているような感覚に陥る。自分を写す鏡であったはずの都市は、いつの間にか歪み、ねじれ、反発しだした。僕は都市における自分の立ち位置を見失ってしまった。いつか都市そのものが消滅してしまう前に、この景色を残しておきたいと思った。