ステートメント

流れない河

この作品はフィルムで撮り、中川運河から汲んできた水の中に印画紙を沈めて露光しています。運河の水の中でゆらぐ印画紙が光を浴びることにより、運河の声と記憶を写真に焼きつけることができると考えています。

中川運河は物流インフラとしての役目を終えて、下流は閘門で仕切られています。なので潮の干満はなく流れのない静かな水面を湛えています。この運河は街の都市空間の中でそこだけ時間の流れが止まっているかのようです。

ですが、一見静かにみえるこの運河も「声」を発しています。その声に耳を傾けることにより、運河と街が共存するための新しいカタチが見えてくるのかもしれません。

受賞者プロフィール

坂田　健一

名古屋在住

地元の中川運河を撮り

自宅暗室にて作品づくりをしています

2023.6.23〜7.30 中川運河ギャラリーにて個展を開催

審査員 選評

運河としての役目を終えた川を透明な鏡のように捉え、時空を超えた声の存在に耳を傾け共存と発展のヒントを得ようとする試みはとても関心が湧きます。実際に川で撮ったり、行為として動画などで記録するのも良いのではないでしょうか。

関連リンク

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