ステートメント

土偶の私

縄文土偶は、植物と女性の繁殖力を重ね合わせた「豊穣の女神」を象っていると言われます。私は展覧会で見た土偶に強い印象を受け、また体型が土偶に似ていると言われたことから、土偶をテーマにセルフポートレートを制作しています。しかし、女性の体が「豊穣」の象徴と見られることには違和感もあります。縄文時代には、土偶と似た顔の仮面「土面」も作られました。儀式で女神に扮するためのものでしょう。
そこから着想を得て、この作品では自作の「土面」をかぶって現代の「土偶」に扮し、女性の日常生活を演じました。これは社会や文化によって作られた「女性」という仮面をかぶって生きる、現代の私たちのセルフポートレートです。

受賞者プロフィール

やまもと ひさよ

20代から写真や映像による作品を発表。近年は縄文土偶をモチーフにセルフポートレイトを制作。

2021 第18回京都現代写真作家展　準大賞
2020「土偶な生活」/KUNST ARZT,京都
2018「土偶な生活」/お留守番プロジェクト,Gallery OUT of PLACE,奈良
2017「土偶が私」/KUNST ARZT,京都
2016「土偶の私」/Gallery OUT of PLACE,奈良

審査員 選評

審査員：蜷川実花より

一度見たら脳にしっかり残る作品でした。
コンセプト、写真の完成度をさらに上げるとより良いと思います。
大きなプリントでしっかり額装したものを見てみたいです。

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