THEME #31受賞作品2022FEB
CHILDREN
GRAND PRIXグランプリ
ステートメント
moon echo
ある日ふと、実家の倉庫に望遠鏡があることを思い出した。20年以上眠っていたそれを引っ張り出し、意味もなく月へ向ける。何日もそうしているうちに、接眼レンズを通して見る月がエコー写真に写る胎児に見えてきた。それを撮影し、エコー写真に使用される感熱紙へプリントしたものがこの作品である。
古来より日本では月を兎に、中国や西洋では女神に見立てる風習がある。
個々人が自由に月を何かに見立てて良いのなら、私は月に我が子を見る。
受賞者プロフィール
大町晃平
1990年滋賀県生まれ。東京と滋賀を拠点に活動。
歴史や科学、身近な主題を着想源にし、生命を主なテーマに扱う。
既存のメディアを用いた表現を探求している。
審査員 選評
望遠鏡を用いて見る月がエコー写真に写る胎児に見えたと言う大町さん。
それを撮影しエコー写真に使用される感熱紙へプリントしたこれらの作品
月の満ち欠けと出産は古くから関係していると云われてきたが
潮の満ち引きも出産と密接な関係がある
赤ちゃんが入っている羊水は海水の成分とほぼ同じだとされている
同じ成分を持つ羊水も海水と同じように月からの影響を受けているという
いにしえより伝わる人類の神秘に現代のエコー写真を用いて結び付ける発想力に新鮮さを感じ感銘を受けた
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