THEME #21受賞作品2021MAR
COVID
GRAND PRIXグランプリ
ステートメント
Holy swabs
現在蔓延しているSARS-CoV-2の感染を調べる鼻腔頭検査は手早だが、誰にとっても避けたい体験である。テスト結果やそれが及ぼすであろう影響の心配もこの負担の大きい検査に対する不快感を増す。 綿棒のような細い棒を鼻腔と喉の奥にに差し入れられることで、咳や嘔吐反射も引き起こされることが多いであろう。検査を受ける直前、そのような親密な距離感を赤の他人と共有しなければいけず、逃げ場も選択肢もないこの瞬間に、人間の個性と脆弱性が顕になる。
受賞者プロフィール
Tommaso Ausili
イタリア人写真家・映像作家。1970年生まれ。大学卒業後に写真に興味を持ち、当初は主に旅行・地理写真家として活動していたが、徐々に報道写真へと移行していった。2009年に始動したプロジェクト「Hidden Death」はWorld Press Photo(3位)とSony World Photography Awardを受賞。2010年以降、Contrasto Agencyに所属。
審査員 選評
審査員:マーティン・パーより
最近ではCOVID-19に関する写真が後を絶ちません。
このコンテストを審査するにおいて、私は今まで見たことのないような写真を生み出すオリジナリティを求めていました。
COVID-19を斬新な切り口で表現することは難しかったでしょう!
今となっては誰しもが鼻腔頭検査を受けたことがあり、その不快感を知っています。そのような中で、フラッシュが焚かれ、綿棒の挿入を覚悟する大きく開いた数々の口には目を引かれました。許可取りと撮影の仕組みだけでも見事です。この作品は、パンデミックのごく当たり前な部分を切り取り、その根幹的な要素に工夫を凝らすことで写真の力を示している優秀な一例です。
関連リンク
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Instagram:@tommasoausili
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