ステートメント

LCD images

これらのイメージは、AI画像生成ツールで出力した日々の記憶をベースにしています。僕にとってこれらはあたかも私写真のように、その時の記憶を喚起させます。入力テキストを思索する過程を経て、その記憶を彷彿する画像が出力できることを、まるで念写のように感じ、同時にその実現可能性も思います。作品は、そうして生みだされた画像を表示するモニターに、感光材を塗った紙を張り付けて露光したものです。自律するテクノロジーと人との相補的な在り様にも思える、液晶上の画像の変遷。そのエフェメラリティと、それを再生するデバイス、双方のインデックスをフォトグラムは写しとります。僕はこのことも写真的であると考えています。

受賞者プロフィール

三保谷将史

1987年大阪生まれ、京都在住。
高校卒業後、独学で写真をはじめる。展覧会等で発表を行う傍ら、写真関係の様々な職種を経験。現在は制作活動の傍ら、専門学校での非常勤講師やpodcast「JAPAN UNK RADIO」を通して多様な作家の話を聞くことも続けている。

審査員 選評

とても静かでありながら、深層心理に働きかける強さのあるイメージ。まるで忘れていた記憶や夢、またはいつか見たホラー映画の一場面のようだ。本作は、最先端の技術と古典技法を組み合わせた複雑なプロセスを経ているが、見る者にその過程や時間を感じさせず、「瞬間を切り取った写真」として成立させているところにさらなる可能性を感じる。今後どのような発展を遂げるのか楽しみなシリーズ。

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