ステートメント

Amayekio

氷河時代にあたる今から約2-3万年前、ある特定の山岳に隕石の墜落によって形成されたインパクト・クレーターが存在する。そのクレーターが隕石によるものであると実証されているのにも関わらず、長年の調査を経ても未だ隕石そのものは見つかっていない。本作品では自然界におけるこうした一つの矛盾を起点とし、連続する物事の間に空いた空白を埋める形で、遠い過去にかつて起こった出来事を写真によって可視化することを試みている。作品タイトルの『Amayekio』とは、隕石が墜落する以前の空想上の山岳の名前に由来する。

受賞者プロフィール

金田 剛

１９９７年新潟県生まれ、東京都在住。東京工芸大学大学院芸術学研究科博士前期課程メディアアート専攻写真メディア領域在籍。作品のコンセプトに関連した緻密なリサーチを元に、架空の出来事や物語を写真によって再現し、リアリティーのあるフィクションを追求している。主な受賞歴にPITCH GRANT ファイナリスト(京都|２０２１年)、T3 STUDENT PROJECT グランプリ(東京|２０２０年)、写真新世紀 優秀賞(東京|２０２０年)などがある。

審査員 選評

かつて隕石が堕ちてから、測り知れない長年月が過ぎた今、その場を撮影した美しくも不思議なシリーズ。時間の流れと、自然史における環境変化の明らかな不可視性について考察している作品です。

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