THEME #46受賞作品2023AUG
PLANT LIFE
SHORT LISTショートリスト
ステートメント
1′ – 佳作
祖父と祖母が亡くなった。
両親が仕事から帰るまでの時間は彼らと過ごした。
花と畑を愛する二人だった。
高校の体験授業で0の概念を教わった。
仮に生を1とするなら、死は0になることか。
しかし私は、花の手入れをする丸く小さな背中を知っている。
皺と血管を隠すほど泥まみれの手を今でも知っている。
私は花を撮り、二人は私に花を撮らせる。
像を通して影響しあう限り、死は「1’」であり続ける。
受賞者プロフィール
里見 八
「カメラを首から下げた男の子」
5歳のときに重いカメラを持ちながら借り物となって一生懸命走ったのが、写真との最初の記憶だ。
以来、あらゆる物に対する私の姿勢や願いが投影される写真を信頼し、期待しながら、自身に関係するものを撮っており、本作品は自身の身近な死と向き合う過程そのものである。
この場をお借りして、年明けの能登半島地震で被災され苦しい日々を送られている方々に、心からのお見舞いを申し上げます。
審査員 選評
今回、他界した愛する人とその人が去った後も生き続け、存在し続けた種や植物の命を紐付ける興味深い応募がいくつかありました。このような思いは、しばしば物質的なものや、あるいはレシピと結びつけられる。しかし私は、大切にしていた人や植えた人が亡くなった後も、生命を持ち続ける植物や木というこの考えが好きです。まだ命を持ち、生きている人への架け橋となっているもうひとつのもの。この作品を送ってくれてありがとうございます。とても示唆に富み、感動的な作品でした。
関連リンク
HP:https://satomihayata.jp
instagram: @hayatasatomi
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