THEME #46受賞作品2023AUG
PLANT LIFE
SHORT LISTショートリスト
ステートメント
あなたから離れた場所で再び眼差しを交わす – 佳作
人の顔には多くの情報が散らばっていて、時にその情報が人の内面的な部分を厚く覆い隠しているのではと感じることがある。そんな人の顔に貼り付くレッテルのようなものを剥がしたときに浮かび上がってくる、素顔からのみ読み取れる部分をその人の本質だとするならば、まるでその本質が投影されているかのような木に巡り合うことがある。そこにあるのは確かに木であるのに、それぞれが特有の質を持った眼差しをこちら側へと向けていて、確かに視線が合うと感じる瞬間がある。その視線を受け止めた時、一人の人間のために存在しているかのような、特別な木があっても不思議はないと思った。そんな可能性を私は追求したい。
受賞者プロフィール
原田 一樹
2001年生まれ、大阪府出身 京都芸術大学所属
審査員 選評
今回提出された作品は考えさせられるもので、私の心に響きました。人物(おそらく友人)のポートレートを撮影し、長方形のフレームに樹皮などの樹木の表面のイメージを並べて紹介していました。基本的に表面的なファサードであり、人のまなざしと並ぶ樹木のまなざしと呼ばれるものが登場するこの作品について作者が書いた考えの方へ自然と意識を向けられるこのシンプルな遊びがとても気に入りました。どちらも生きていて、どちらも等しく複雑で、それぞれの表情を持つこれらが、同等に注視され、尊重され、撮影されているのがすぐにわかります。また、このデリケートな作品の時間は止まってししまったように感じます。植物も人もそれぞれの未来へと進んでいきますが、これらの写真のイメージは、水を待つ種のように休眠したまま、あるいは一時停止したまま残るでしょう。
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Instagram:@hara_tyan428
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