ステートメント

慣れていない幸せ

コロナ時代。「おかしい」以外の言葉が思い浮かばない。奇跡的に落ち込むことはなかったが、自分の中のどこかが変わってしまった。幸せではあるが、この幸せは今まで経験した幸せと種類が違うような気がする。夏に友達と公園で食べるアイスが1人でベランダで吸うタバコになった。夜のお出かけより友達とのお泊りが多い。好きな人が現れることを待たなくなり、仲良さそうなカップルを見かけるだけで喜ぶ。街の騒めきが恋しくならず、人げの無い街を訪れると落ち着く。友達の成長よりも植物の成長を楽しみにする。「おかしい」というより、自分らしくない。

受賞者プロフィール

アラン・チャンブリス

カリフォルニア生まれ、西日本在住。内向的で計画的な撮影が、特にあまり親しくない人との撮影が苦手である。代わりに、自身のありふれた日常や友達、生活を取り巻く環境を記録している。写真を合わせてディプティックに仕立てる事で、彼が何を考えているか、彼の妄想や彼が身の回りについて何を感じているか考察するストーリーを語ろうと試みている。彼が毎日の取るに足らない一瞬に幸せを見つけるように、作品を通して観客にも同じような感覚を見つけることができる事を願っている。

審査員 選評

審査員：ステファノ・シュトールより

新型コロナウイルスは私たちと環境の関係性を一転させ、これまでの生活習慣と常識をも変えてしまいました。にもかかわらず、毎日は感謝すべき、そして育むべき小さくて些細な楽しみで作られているのです。

関連リンク

• HP：https://cargocollective.com/heyilikeyou

  Instagram：@ahraun