ステートメント

Tracing dreams

街を構成する建造物のひとつひとつは紙面、または画面に一本の線を描くことから始まる。
無形の人の夢や願望を模るように、何本もの線が平面的に重ねて引かれていく。
線の集合体を元に、夢や願望は三次元世界に具現化される。
街はそれらの立体的な集合体だ。

連なる建造物は互いに融合しあい、対立しあったりして街を構成していく。
その中で暮らす人々は、その風景をどのように捉えているのだろう。
街には完成形がなく、日々刻々と変化していく。
私はその経過で見えた一瞬を捕らえようと、再び三次元の世界を2次元に写している。
写真として二次元化された新たな風景は、私の願望であり、虚構なのかを問いかけてくる。

受賞者プロフィール

近藤マリア ルイーザ明子

ブラジル生まれ、ブラジル育ち。
サンパウロ大学建築・都市計画学部卒業後、1986年神戸大学留学生として来日。
1989年日本移住。北海道札幌市在住。

審査員 選評

街を構成するビルディングの絶妙な切り抜きで、一枚の写真の中で何度もリアルとアンリアルな世界を行ったりきたりできる。

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