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THEME #02受賞作品2019JUL

STILL LIFE

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house

自身が拠点にしている埼玉県では近年新築住宅の建設ラッシュで、不動産屋のサイトでは、そんな近所の新築住宅の写真がたくさん出てくる。不動産屋が撮影したようなその写真を家庭用プリンターで出力し、家の形に切って折って簡単な模型にして、実際の新築住宅の前まで行き、iPhoneで撮影したものが、この作品である。
家は人が生活することで家になっていくのだと定義するならば、撮影しに行った住宅はどれも出来たてで人が住む前の状態で、いわば家の形をしたまだ家以前の物体である。
だとすれば、不動産屋の写真を模型化したものとどれだけの違いがあるのだろう。
ちなみに、この模型は撮影後も建物の前にそのまま置き去りにされている。

受賞者プロフィール

太田 遼

美術家。1984年東京生まれ。2010年武蔵野美術大学大学院建築コース卒業。
身の周りの建築的なものから風景への愛憎によって、自身を支えているはずの床や壁が不確かなものであるという感覚を覚え、その揺らぎのようなものを作品にしている。手法は映像や写真、立体、空間、テキストなど。
主な発表に2020年グループ展「The Department Store No.1」Open Circuitとのコラボレーション(elephant space/韓国 ソウル)、個展「風穴 a.k.a.VOID」(Arai Associates/東京都)など。

審査員 選評

審査員:ブルーノ・ケシェルより

太田遼による一連の住居の切り抜き写真は、視覚的に独特な静物写真であると同時に、直ちに高級化と「家」という概念に関する社会的メッセージとなる画像を形成することに成功しています。遼の写真で巧みに捉えられている被写体にはどこか不気味で近寄りがたい雰囲気があります。

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THEME #02 STILL LIFE

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