THEME #25受賞作品2021JUL
STORY
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ステートメント
レーゼドラマ
作品は記憶に纏わる物語をイメージしている。記憶は表象不可能であり、近づこうとすればするほど逃げ水のように遠ざかる。現れる紙片はクライストの短編『チリの地震』であるが物語の核となる地震の描写は驚く程短い。地震やパンデミックのような災害はその大きさ故に言語化すればするほど遠ざかり、ドラマタイズ(再現)することがいかに陳腐であるかを知らしめる。『チリの地震』はその描写から表象不可能なものに逆説的に近づこうとしているように見える。
《レーゼドラマ》とは、上演を目的としないで書かれた脚本のことである。記憶を表象することは、目にすることのない脚本=レーゼドラマを演じていくことと似ているのかもしれない。
受賞者プロフィール
池田嘉人
1973年千葉県出身。2004年東京藝術大学大学院修了。絵画を始め写真、映像、インスタレーションを展開。現在広島を拠点に活動
審査員 選評
審査員:米田知子より
何を見つめ、なぜ目を伏せるのかーー
ページは、破られ、また綴じられる。密室の主人公と可視化できないその記憶に、内なる張りつめられた、その何かにひきつけられる。
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