THEME #29受賞作品2021NOV
SMARTPHONE
GRAND PRIXグランプリ
ステートメント
dementia diaries
認知症の父の記録。施設にいる父は日に日に記憶が失われて行く。会話のキャッチボールは難しく面会に行くたびに写真を遺している。カメラを向けると少しの間だけ目線を合わせてくれる。この歳になると親子のツーショットを撮るのは小っ恥ずかしく、まして自撮りやセルフタイマーでは目線を合わせられないのでスマートフォンのカメラに自分を写してみる。写真で記憶のない父と一緒に記録する。
受賞者プロフィール
片上 久也
広島出身、広島市在住。商業写真家。
2016 第2回The Editers’ Photo Award Zooms Japan2017 パブリック賞
2021 Portrait of Japan shortlist
審査員 選評
審査員:姫野希美(赤々舎代表取締役/ディレクター)より
父親のポートレートのなかに、それを撮る自身の姿をスマートフォンで写し込んだシリーズ。
スマートフォンが父親の身体と共にあり、眼差しと重なり、互いに撮り合っているかのような構図の中で、かえって認知症の父親の状態を映し出してもいるようだ。
スマートフォンの存在を生かし、写真の構造を重層させ、この時間にしかないポートレートを制作している。
関連リンク
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Instagram:@hisayakatagami
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