ステートメント

セルフポートレート

私のスマホの中には26年前の、16歳の私の写真が保存されている。26年前に撮られた写真を数年前に見つけて複写したものだ。カメラロールをスクロールすると、時折この写真を見かける事がある。すなわち私は自身の26年前の姿を、特に意識せずに常に持ち歩いている事になる。なんだか滑稽である。誰しもそうだと思うが、「何年も持ち続ける物」が存在する。私の場合、それがスマホの中にあり、当然ながらスマホの外にもある。26年前の私が現在まで持ち続ける物と共に、当時の私を写真にする。そして26年前の自分の姿を持ち歩く滑稽な自分を、写真を撮るという名目で正当化する。26年前の私のセルフポートレートにする。

受賞者プロフィール

真壁 輝

沖縄県出身。

ポートレートを中心とした写真を発表。
目の前に立つ人物を、あるがままに捉えることで沖縄を見るという試みを続けている。

審査員 選評

審査員：姫野希美（赤々舎代表取締役／ディレクター）より

スマートフォンに溜まっていく過去の自分という存在を扱う面白さ。どのように表出するか、まだ可能性を感じる。

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