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写真機の向上、とりわけスマートフォンのアプリによって写真撮影、画像処理、作品発表が民主化された現代。デジタル・イメージを扱う際、かつてはソフトは特別な現像技術であり、スマート・フォンで気軽にイメージを生成できる「アプリ」とは差別化が図られていた。しかし、今日においてはそのアプリの機能がソフトに逆流され、画像編集ソフトに組み込まれている。本作品は、通常であれば別々の画像を美しく組み合わせるためのAIによる生成技術を、単一のデジタルイメージにおける「人物」のみを指定し、切り出し、背景に適合するよう指示したものである。これは、「スマートフォン時代」におけるポスト・ポートレートである。

受賞者プロフィール

飯塚 純

1987年生まれ。
合成メディアの出現や、アプリの機能がソフトへ逆流によって「写真」を取り巻く環境、状況は常に変化しています。そのような状況の中で、人々が「映像（ビルド）」をとらえようとする根源的な「まなざし」について、作品制作を通じて考えています。

審査員 選評

審査員：姫野希美（赤々舎代表取締役／ディレクター）より

アプリの機能による人物と風景との相互の浸食が、浮遊する存在を思わせるポートレート。

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