THEME #48受賞作品2026JUL
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すべてが羽ばたき、花開き、愛を歌う
本作は、2024年夏、ロンドンの苛烈な資本主義に疲れた私は、理想の作品制作環境を求めてアルメニアの山間部にあるアーティスト・イン・レジデンスを訪れた際に35mm白黒フィルムで撮影した写真である。
この村では、ロシアやイランなど様々な国の芸術家たちが戦争や政治的混乱を逃れて旧ソ連時代の廃工場に集まり、
共に暮らし、作品を制作していたという。
しかし、私が着いたとき、そこはすでに完全な無人だった。
廃屋内の壁には、ロシア語で
「всё звучит, всё цветет, всё о любви поёт (すべてが羽ばたき、花開き、愛を歌う)」
と書かれた詩が残されていた。廃屋には彼らの作品の痕跡が残り、廊下には無数のツバメの亡骸が点在していた。
立ちすくんだ私はひとり、ただシャッターを切り続けた。
副島泰平
アルメニア共和国TUMOでの写真講師経験(2022年)をきっかけに、国内外で物語と人間の関係を探る作品を発表している。近年はモノクロネガフィルムをポジ化する技法を用い、写真表現に取り組む。2023年渡英、2024年から2026年にかけてポーラ美術振興財団および吉野石膏美術振興財団の助成を受け英国・ロンドンにて現代アートの研修を行う。現在は東京とロンドンを拠点にアーティスト、写真家として活動している
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