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THEME #48受賞作品2026JUL

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Imagining a River〈2024〉

本シリーズは、韓国西部の工業地帯沿岸に位置する始華湖(シファホ)を起点としています。
かつて始華湖は、深刻な産業汚染によって「死の湖」と呼ばれていました。しかしその後、大規模な環境再生事業が進められ、海水と淡水が交わる境界には潮力発電所が建設されました。人工的な水循環が導入されたことで、湖の環境だけでなく、その空間そのものも大きく姿を変えていきました。
本作は、始華湖を固定された地理的な場所としてではなく、「川」という概念的な存在として捉えています。
ここでいう「川」とは、流れ、移行、そして時間的な連続性によって定義される構造です。この視点は、始華湖を閉ざされた工業用貯水池としてではなく、絶えず変化し続ける空間として読み替える試みでもあります。
この人工的に再編された環境には、レジャー施設やサーフパーク、ヤシの木、工業インフラ、建設途中の建物、野生動物、そして移民労働者たちが共存しています。
それらは、一見すると断片的でありながらも互いに結びつき、環境再生と都市開発という人為的な営みによって形成された新たな風景をつくり出しています。
本作は、ドキュメンタリーとフィクション、あるいは現実と想像のあいだを行き来しながら制作されています。
出来事そのものを記録することではなく、開発や未来への投影によって、現代の空間がどのように絶えず組み替えられていくのかを観察することが目的です。
物質的な現実と、人間が抱く欲望や理想像との狭間に立ちながら、本シリーズは、産業化された近代の風景の中で、記憶、知覚、インフラストラクチャーがどのように共存しているのかを問いかけています。
写真は、その繊細な交差点をたどるための手段となり、変化し続ける場所に静かに積み重なっていく時間の層を可視化しています。

Du Shangheng

ドゥ・シャンヘン(Du Shangheng)は、中国・山東省生まれ。現在は韓国・ソウルの弘益大学大学院博士課程に在籍し、写真を研究しています。
長年にわたる複数地域での生活経験を基盤に、東北アジアにおける移動や地域変容によって形成される空間の構造を主題として制作を続けています。
初期のプロジェクトでは、ソウルで暮らす中国人移民コミュニティを取材し、労働力の移動や文化的なディアスポラが都市空間の中でどのように現れているのかを観察しました。
大きな社会的物語を描くのではなく、人々の日常に存在する物質的な環境や、空間に静かに刻まれた持続的なリズムに目を向けることを制作の特徴としています。
近年は、人口移動や経済構造の変化が周縁地域や境界地域の風景にどのようなかたちで表れるのかへと関心を広げています。
抑制された静かな写真表現を通して、一人ひとりの存在と、それを取り巻くより大きな社会・空間システムとの関係性を探究しています。

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