THEME #48受賞作品2026JUL
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Chimera,”化けの皮を剥がす”
人間が他者へ向けてきた欲望の形として、剥製に関心を寄せるわたしは、誰かが不要とした剥製――中でも信楽焼の狸を模して作られ民間で流通してきたもの――をインターネット上で購入し、それらを解体する《化けの皮を剥がす》と称した作品に取り組んでいる。
ここでの解体とは、不要となった剥製を可燃ごみとして処分する際に、一部の自治体が推奨する方法に倣っている。それは同時に、「生きている」かのように作られた剥製を再び死体へ戻すような、その価値の変遷を直截に比喩する行為ともいえる。
本作はその一展開として、解体されていく剥製の様子を記録した複数の写真を、Photoshopの「画像のスタック」によって一枚に合成したものだ。
解体の段階ごとに、剥製を細部まで記録するため深度合成を行っていたところ、誤って異なる段階の写真を混在させてしまったことがあった。現れた怪物じみたイメージは、生命感を帯びた魅力的なオブジェとしてだけではありえない、今日の剥製の肖像のように思えた。それ以来、この偶然を方法論として取り入れている。
一方で《化けの皮を剥がす》というシリーズタイトルに立ち戻るなら、このイメージが皮肉にも、剥製に新たな「化けの皮」を被せてしまうことにはならないだろうか。だとすれば、この怪物じみたイメージもまた、今日という時代において剥製がまとう、欲望の一つの形なのかもしれない。
牧野雄気
1999年埼玉県生まれ。2022年東京造形大学造形学部デザイン学科写真専攻領域卒業。2021年度東京造形大学卒業制作・研究展にてZOKEI賞(優秀賞)を受賞。卒業後は美術作品の記録撮影や展示照明の設営に携わりつつ、2025年より母校の写真専攻領域にて助手を務める。同年、「Tsubomi Collection AIR Project in Amsterdam」に参加し、オランダに滞在。
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