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THEME #48受賞作品2026JUL

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盤景

盤景を写した写真をさらに撮影した写真シリーズである。盤景とは、現在ではほとんど知られていない日本の小さな造景美術である。元の紙焼き写真は、近所の骨董市で、ひとりの人物がかつて所有していたと思われるスナップ写真の箱の中から見つけた。

私はこれらの写真を通して初めて盤景を知り、リサーチを進めた。盤景は、粘土状の土を用いて浅い盆の上に自然美を表現する。素材の性質上、作品は解体され、同じ器の上に新たな風景が繰り返し制作される。1960年代の公害問題などを背景とする環境意識の高まりの中で、一般の生活者へと広がることで確立していった実践である。本作の被写体となった紙焼き写真もまさにその時期に撮影されたものであり、そこに写る作品も、撮影者自身によって制作され、解体前の記録として撮影されたと考えられる。

これらの写真を再撮影することによって、写真の無署名性や記録性を隠れ蓑とした「盗み」の行為に、私は意図的に加担している。本作はその行為を可視化し、写真がいかにして搾取や再文脈化、価値の再付与を正当化し、何が保存され、何が忘れられ、誰がイメージを通して語ることを許されるのかを問いかけるものである。

林田真季

1984年生まれ、兵庫県出身。東京を拠点に活動するビジュアル・アーティスト。人間の消費活動にまつわる社会・環境的課題を、アーカイブ、フィールドワーク、暗室での実験的手法を組み合わせてリサーチし、そこにフィクションや主観的推測を織り交ぜながら、写真作品やインスタレーションとして展開する。その実践を通して、人間が自然に及ぼす影響を見つめ直すとともに、写真メディアの内包する問題にも目を向けている。近年では、植物や自然素材を用いた写真技法に取り組み、デジタル時代における写真メディアの物質性や複製性を問いかけている。

2007年関西学院大学総合政策学部卒業。2023年ロンドン芸術大学ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーション MA Photography 修了。主な受賞歴に、「アルル国際写真フェスティバル LUMA Rencontres Dummy Book Award」ファイナリスト(2023年)、「シンガポール国際写真フェスティバル Dummy Book Award」グランプリ(2020年)など。主な展覧会に、「Silent Echoes of the Cedar」(hakari contemporary、京都、2025年)、「第17回 shiseido art egg 」(資生堂ギャラリー、東京、2024年)、「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭『KG+SELECT』」(三条両替町ビル、京都、2021年)などがある。

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