THEME #24受賞作品2021JUN
MEMORIES
GRAND PRIXグランプリ
ステートメント
Specimens
歳を重ねていくごとに時間の流れの体感が早まっている。
進んでいることを確かめるため、
とり留めのない日々を記録したり、今まで撮った写真を見返す。
日々の手がかりから連想されることはいつも曖昧だが、
「今」があったことを明確に示している。
数が増える事で、徐々に時系列が混ざり合っていく。
記憶の手がかりをプリントし、触れながら、実際に混ぜてみる。
それらは、私の意識をとびこえて時間の経過を伝えてくれる。
「今」が蓄積された塊は、時間の標本だ。
見つめ直す作業の中で、
当たり前すぎて見過ごしていたものたちに、どこか愛おしさが湧いてくる。
これらの標本をどれだけ残せるだろうか、試してみようと思う。
受賞者プロフィール
髙橋実希
1996年 静岡生まれ
2019年 東京工芸大学芸術学部写真学科卒業
現在 都内スタジオに在職中
大学在学中よりカッターや糊を使用し、アナログコラージュを制作。
審査員 選評
審査員:ティム・バーバーより
高橋実希さんの作品は、抽象化され、咀嚼された記憶の断片としての写真の概念をリテラルに具現化しています。構築されたイメージの原材料を「手がかり」と称し、蓄積された「今」のかけらが「時間の標本」として姿を現すと話していました。記憶は曖昧で、時間の経過は自分自身の記憶をも不明瞭に歪ませます。同じように、写真もあてになりませんよね。正しくも間違っているわけでもなく、主観的な証拠の一つであり、徐々に紐解かれていく存在という謎の「手がかり」です。高橋さんはそうして過去を探究し、物証をつなぎ合わせることで、詩的かつ不確定なシナリオを描き出しています。
関連リンク
Instagram:@w_bear1838
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